最後の情景
言葉は ただ 過ぎている
時間と 彩りに 心奪われ
窓から 吹きぬける風は
暗闇から 微笑みかける
少年のよう
青い面影は 冷たく悲しい
両手だけが 追いついた
求めていた者へ
夜空を見上げても
両足は 大地を拠り所している
人の心は いつから 飛べなくなったか
今では 何も 思い出せず
時の彼方の湖は 幼い頃を映しだす
人形に抱かれる子供
その情景は 奪れゆく意識の幻影
少年が また 微笑みかけた